interview

高知あきんどなびメンバーに毎月インタビュー、商品・サービスから現在に至るまでの道のりやさまざまなお話を伺います。

「高知あきんどなび」一周年企画

「高知あきんどなび」を立ち上げて1年がたちました。
1周年の記念に「高知あきんどなび」のルーツとも言える「目指せ! 弥太郎 商人塾」の顔『臼井純子先生』にインタビューを企画し、「高知あきんどなび」からのお願いを快くお引き受けいただきました。

「自分を律する」と「自分で立つ」それさえできれば何が起きても怖くありません。

自分を律して自分で立つことのできる人はひとつの成功を維持できます。 次から次へ色んなことをしながら企業の寿命を延ばすことができるということです。

話し手 ●臼井純子先生

「オフィス・ウスイ」代表・NPO法人日本風景街道コミュニティ理事
「目指せ!弥太郎 商人塾」塾長・土佐MBAアドバイザー

No.011 || 聞き手●片岡佐代

オフィス・ウスイ代表
臼井純子先生

今回は久しぶりに臼井先生のお話を伺える贅沢な時間をいただきました。「商人塾」の「プレゼンテーション」に修了生の方々はとても悩まれたことと思います。でも考え抜いて過ごした日々は力となって戻ってきます。

講座では「頼もしさ」と「愛ある厳しさ」を前面にお見せになりますが、もう一つの愛らしい女性の顔もお持ちの臼井先生です。「どちらも私です」とおっしゃる明るく屈託のないいつもの笑顔に心強いパワーをいただきました。

「高知あきんどなび」 片岡

プレゼンテーションには悩みます・・・。

「目指せ! 弥太郎 商人塾」講師を応諾

──本日はよろしくお願いいたします。

はい、結構でございます。(笑)

──早速ですが、「目指せ! 弥太郎 商人塾」の講師をお引き受けになった経緯をお聞かせいただけますか。

当時、私は富士通総研に在職していましたが、総務省で移住交流のプロジェクトチームの主査をつとめ、色んな県の移住交流の取り組みを「移住交流ハンドブック」という本にする仕事をしました。

そのときに高知県の「片岡千保さん」と知り合い、数年後「目指せ! 弥太郎 商人塾」を開講する際、講師としてご依頼をいただきお引き受けしたというのが経緯です。

──白羽の矢がたった訳ですか、よほど臼井先生が印象に残ったんでしょうね。

片岡さんより熱烈なプッシュをいただきました。当時富士通総研の社長は「社員の社外の活動を良し」とし、私も大学の講師や様々な委員会の委員を務めたりしていたので社長に直談判して許可を貰いました。

──では富士通総研を辞めずに「商人塾」の講師をお引き受けになられたということですね。 社会貢献に前向きなステキな会社ですね!

でも富士通総研はその三年後くらいに辞めました。
タイミング的に辞める時期と「商人塾」が合ったようです。

楽々と泳ぐ姿でも水から下の足はいつも動いています。成功の秘訣はココ?

最近の日本や世界について

──私が商人の6期生で先生に教えをいただいた頃と比べると最近の世界は変化の速度がますます早くなり「世の中が変わった」と実感することが多くなりました。
今年の9期生は昔と比べると変化はありますか。

受講生の変化と言えば、商人塾初期は、食品関係が多かったのですが、最近は、サービス業、飲食、福祉等多岐に渡っています。アンテナの張り方ということでは高知は東京ほどではないですね。 昔に比べると早いし、反応はいいけれど自ら先へ先へ行ってるかというとそこまでじゃない感じです。

──早くした方がいいですか?

いや早くしすぎると疲れますよ。 情報は知ってなきゃいけない、そこの微妙なバランスを自分で作っていくしかないです。 私も東京にいるだけで疲れます、ニュースが多すぎてテレビみるだけでも疲れます。 国際的な話も多く、これが日本や自分の生活にどう影響がするのかと考えているうちに次のことが起きていく感じですね。

──以前は建前と本音がありましたよね。

今はまったく違いますね。最後には、自分のところが中心になっていきます。 日本は左右を見て泳いでいく必要があるので大変です。

──「商人」で学んだ私たちは「自分だけ良ければ」はどうかなと思いますが、甘いでしょうか。

東京の方がその傾向が強いです、高知にいる方が人間らしい生活ができると思います。 幸福度は高いです。

──他を知ることは必要ですね。

そうです。
でも「知ったことの不幸」というのもありますからね。(笑) 「知らないことは幸せだ」ということもいっぱいある訳です。 今の高知の良さは「知ったことの不幸」を直接感じないですむことにあると思います。 東京にいると感じます、ほっておいても情報が入ってきます。

──知ると捨てることが出来ませんよね。

情報に翻弄されてしまいます。東京はお金で生活の取捨選択ができます。 高知はもともとの取捨選択のベースがみんな同じだからお金のあるなしに関わらず幸せな暮らしがそれなりにできる、東京では「お金が無ければ幸せな暮らしはできません」というくらい格差が激しいです。

──それはどのくらい前からの現象ですか?

徐々に始まっていたんだと思いますが、3年くらい前から顕著になってきました。例えば流通業の取り扱い品目がどんどん変わってきて、イトーヨーカ堂や成城石井で扱っている商品が線引きされてきました。
イトーヨーカ堂は高齢者や単身者、独身の若者の一人用の食材が多く、夜8時過ぎになると50%引きになるからみんながウロウロし始める。

──なんだか淋しいですね。

同じ時間にそこにいる人たちと成城石井にいる人たちとは違うということです。成城石井は目的買いだから生活必需品を何もかもは買っていかない。みんな使い分けです。

──「人・モノ・金・情報」の中身も変わってきてますね。

今、私たちは過渡期にいて暗中模索でバタバタしてるのが一段落するのが東京オリンピック後という話はあるけれど急に変わる訳でもないでしょう。でも日本ではないところで急に起こる何かがきっかけになるかもしれないから何とも言えませんね。

「家業から企業へ」

──「商人」での一つの目標に『家業から企業に変える』というのがありますが、進んでいるでしょうか。

それはケースバイケースです。 進めていくうちに家業のままがいいということもあります。 その選択はどの卒業生も自分の事業を本当に客観的に直視した時にどのやり方がいいのかを 気づくと思います。 そこからまた一歩だと思います。

──気づきですね。

自身で気づいて、選んで、進んでいくしかありません。 誰かのせいにもできないし、誰にも代わりになって貰えない訳です。 そこで「自分で決める」ということを商人塾は一番の目的にしています。

「自律」と「自立」

──先生のお話の中で私が一番印象に残っているのが「自律と自立」という二つの言葉でした。

そうです。 「自分を律する」と「自分で立つ」それさえできれば何が起きても怖くありません。

──でもなかなか難しいですね。

一般論として「実ほど頭を垂れる稲穂かな」はなかなかできない、成功するとどうしても増長してしまうので自分を律することが出来てない人が多いです。 でも自分を律して自分で立つことのできる人はひとつの成功を維持できます。 次から次へ色んなことをしながら企業の寿命を延ばすことができるということです。

──やはりそうですね、「自律と自立」はしっかりと心に刻まれました。

それは事業だけでなく個人の生き方にも通じます。 二つの「じりつ」を自分の生き方でも実現できるのが理想ですね、でもなかなか簡単にはいかないです。

でもこの二つの言葉を忘れず、ふとした拍子に思い出すことが一番大切だと思います。 それさえわかっていれば変な道へは行きません。 「商人」の修了生達の凄いところは、終わった後にちゃんと伸びていってるところです。 停滞せず、前に進むことだけは忘れない・・・。

──そうですね、どんなことをしても皆さん一歩でも進もうとしてますね。

「一歩でも前に進むことを忘れない」ことが私にとっては一番嬉しいのかもしれないです。

──これは「フォローアップ面談」の効果は大きいと思います。 この機会が自身の歩みを振り返り、初心を忘れないことに大きくつながっていると思います。

それは最初に仕組みとして作ったので高知県にも感謝しなくちゃいけませんね。

「商人塾」が心のどこかで拠り所となってくれればそれでいいなと思います。 このコースを卒業して何かが急にできるわけでもないし、内容の違ういろんなコースを受講すると学ぶ内容も違うし、 知識も変わってくる筈なんですね。それでも迷ったときの拠り所になれば、最初に為すことでは一番良いことかなと思います。

──私は土佐MBAの講座の中で最初に「商人塾」を受講しましたが、とても良かったと思っています。

やはり教材が「自分の事業」というのも大きいです。 教材が市販の教科書だとか他人の話や企業であるのと実際に自分が行う事業との違いはあるかもしれませんね。

──汗をかきました。(笑)

他事例の教材を使うと経営用語の知識や自分が説明するときの知識は増えるので見た目のセンスは磨かれますが「商人塾」では本質的に自分が仕事をするというところに重点を置き、「これをどうしたいか」を問うことで自身の成長をどう望むのかという見極めをしていただきます。

──逃げられないですよね、追い詰められます。

逃がさない。(笑)

──今までの価値観が一切フラットになりリセットしますね。 変なプライドも砕かれます。(笑)

自分を鏡で見ているようなものですものね。 でも異業種が集まっているからこそ実現するんだと思います。 同業者だとこうはいかない。

「目指せ! 弥太郎 商人塾」ではみんなよく学びます。

──「商人達」が地域活性化のベースとして少しずつ広がって大きな波になればいいなと思って私も「高知あきんどなび」を作りました。

高知ではもう修了生が200名以上になりました。 「商人塾」を終了した人だけでそれだけ人数がいれば、縦のつながりを見ていくと一つのパワーになります。

──そうですよね、考え方のベースが同じところにあるから同じ匂いを感じます。

その人たちが何かをしようと思ったとき、お互いが力になれますよね。 そこが理想だと思っています。

──「商人ブランド」ですね。「高知あきんどなび」でそのお手伝いができれば嬉しいです。 よく考えて事業を進められている方をしっかりご紹介し、このサイトの信頼性を高めて行きたいと思います。

一番いいのは自分で運営して好きなように動けるというところですね。 「私はこうだと思ってやってます」と言えるからいいんです。

──ありがとうございます、足りないこともたくさんあるのですが、そのお言葉で勇気百倍です。

話は全く変わりますが、臼井先生はとても「頼りになる存在」であり「愛ある厳しさ」をお持ちの方なのですが、個人的にお付き合いすると非常に「可愛い女性」に変身されます。コレって意識されてますか?

どちらもホントの私だと思います。 ただ立場でものを話すことはあります。 「商人」の講師として必要なことを話す時はどう思われてもはっきり言います。 失うものはないです。

──それはすごいなと思います、「そういう風に見えますよ」と指摘していただいたことはとてもありがたいことでした。

逆に言うと、それはとてもプライドを傷つけたり、不愉快になったりする場合もある訳です。でも個人的な思いはないので、みんなが良く変わるためにそれに徹するのが私の役割です。色々あっても最終的にはみんなも受け入れてくれたから今まで続けることができました。

修了生への言葉

──最期に修了生にアドバイスのお言葉をいただけますか?

みんな本当に頑張っているし、それぞれに自分が信じた道は間違っていないと思います。 でも自分一人では生きていないから「仲間を大切にしましょう」と言ってあげたいです。 商人は仲間がいるから迷ったときに電話一本でつながります。その仲間がいざとなったときみんなで助けてくれると思います。

忙しいときに顔をだせない時もあるだろうけれど、何らかの形で「1期生から9期生までの縦のつながり」を大切にしてもらいたいというのが私が一番望んでいることです。

──「商人塾」に来なければ得られなかった仲間ですものね。

中学・高校生の同窓会みたいなものです。(笑)
建前でなく本音で付き合える仲間です、大人になるとなかなかこういう仲間は得られません、「人生の友」じゃないですか。

──全国でもこういう講座はないような気がします、大切にしたいと思ってます。 本日はありがとうございました。

仲間を大切にしましょう。

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